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  White only
  South Africa
  2004/04
 
南アフリカ中部に「白人だけの町」が存在する。町の名前はオラニア。人口600人ほど。アパルトヘイト体勢崩壊後、一部のオランダ系白人たちによって「アフリカーナーの文化を守るため」に建てられた。周辺の黒人たちからの評判は概して良くない。今年は全人種参加の総選挙から10年という節目の年。この国には依然として、差別主義者が存在しているのだろうか。

 「ようこそオラニアへ!」

 出迎えてくれたのはストリドムさん。オラニアの広報を担当している。その態度から差別主義者とは感じられない。

 「私は白人以外を嫌っているわけじゃない。ただアフリカーナー文化が消えてしまうことを恐れたんだ。」

 住人の多くは50、60代の人たちだ。彼らの多くは「安全」のためにオラニアにやってきた。パンケーキ屋を営むグランジさんもその一人だ。

 「以前はヴィクトリアで小さな商店を営んでいました。しかし強盗に入られたりして、身の危険を感じたので、8年前に店をたたんでオラニアにやってきました。また、妻の兄が黒人の強盗に殺されたのも、大きな理由の一つです。黒人が嫌いなわけじゃない。安全な場所を探していたら、ここにたどり着いたのです。」

少数ではあるが「13年前まで南アフリカは美しい国だった」と、黒人に対する嫌悪をあらわにする人もいる。しかし住民の多くは、世界最悪の犯罪率と言われる都市部から逃れてきた人たちだった。

 ただ、子供達のことを考えると、不安はぬぐえない。彼らは白人だけの町で暮らし、友達も白人だけ。黒人と交わるということを知らずに育つ。彼らの思考や将来はおのずと狭められることになる。

  オラニアの住民の考えを否定することはできない。彼らには自由に住む権利がある。しかし現実の南アフリカは、黒人が大多数を占め、多くの民族が存在している国だ。アパルトヘイトが存在したという事実は、いまだにこの国を苦しめている。オラニアはそういった歪みが作り出した町と言えるのかもしれない。
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